Diary 2020-04
Passed days diary...
2020-04-19 / 中国語を始めた
2年ほど前から中国語を学習している。
この一文を読んだ方の大半は思ったのではないか。Why 何故に中国語なのかと。私自身も2年前は中国語にさほど興味があったわけではない。理由はシンプルに言うと「英語じゃない」言語だから。外資系取引先などと英語を使って仕事を多少していたので、英語がビジネスパーソンとして習得すべき言語だと充分理解している。しかし、少し考えてみて欲しい。アジアの一国である日本は、中国との貿易関係、友好関係、あるいはその反対の関係、インバウンドなどなど、とても関係が深い。だのに何故、我々日本人は遠い欧米の言葉である英語を習いたがるんだろう。そう思って、私は中国語を選択した。これからのビジネスで中国語を話せることのアドバンテージは、絶対に生まれるはずだ。GDPが世界1位の国アメリカ合衆国、世界2位の中華人民共和国。もっと注目されていい。そして中国は、現在IT大国になりつつある。英語が話せる人は多いが、中国語を話せる人は圧倒的に少ない。こんなにビジネスチャンスが大きいのに。そこに活路がある。
さて中国語を学ぶ上で、日本人に馴染みの深い漢字は他言語話者から比べるとかなりのアドバンテージとなる。我々がアラビア語を見たときに「一文字も読めない」ことと同じように、欧米人は「漢字を一文字も読めない」(あるいは一番とか富士山くらいなら読めるのかもしれない)から一から覚えなければならない。小学校1年生から始める勉強のようなものだ。しかし、日本人は漢字が読めるし、その意味もわかる。日本人が習得している漢字は、表音文字でもあり表意文字でもあるため、中国語を学ぶ上で非常にハードルを下げる効果がある。
私が中国語を学んでいることを人に明かすと、返ってくる言葉は「なぜ中国語を学んでいるのですか」に続いて、「大学で第二外国語でさらっとやったんだけど、発音が難しかった印象しかない」という返答も多い。ほとんど覚えていなくて、自分の名前を発音めちゃくちゃで読み方を覚えてるくらいの人が多い。言語学習は、継続が大切だ。一度乗れるようになった自転車に一生乗れるのとはわけが違う。私も中国語を始めた当時は、週末だけ50分学ぶというライト言語学習者だった。でも間もなくそんなライトな勉強の仕方じゃ全然学べないことがわかった。5日の平日を仕事で終えると先週やった単語の発音なんてすっかり忘れてる。継続は大切だ。なんでもいいからとにかく「話す」「聞く」「読む」時間を継続することが大切だとわかったので、申し込んでいるインターネット中国語教室は、毎日50分の講座へ変更した。しかし、50分でさえ足りないと感じて1年ほど前に75分にしている。毎日75分話したり聞いたりすると、それなりに中国語に触れている実感が湧く。当然だけれど、週末だけ50分やっていた頃に比べると成長曲線は、圧倒的に角度が違ってくる。
中国語を学んでて、いくかの気付きがあったので下記に示す。
漢字を読まずに発音を覚えよう
さきほど日本人は漢字を読めるので、アドバンテージがあると述べた。漢字を、一から覚えなくていいことは確かにアドバンテージなのだけれど、中国語の漢字の発音と日本語の漢字の発音は、100%違うと言っていい。極々一部の漢字の発音は、似ているけど、全く同じ発音はない。よって、何が起こるかというと日本語の漢字の発音が、中国語の発音を覚える上で邪魔になったりするのだ。他の言語を習得されたことがある方なら、なんとなく理解していただけるのではないかと思うが、頭の中で「翻訳」しているうちは、まだその言語を習得できていない。発音と意味が漢字に変換されることなく、日本語に訳されることなくイメージされてこそ、習得したと言える。例えば「非常」という言葉がある。日本語では「ひじょう」と発音する。中国語だと「フェイチャン」のように発音する。カタカナで中国語の発音を表現できないが、ここでは許していただきたく。中国人が「フェイチャン」と言った時に、フェイチャンは日本語だと「非常」だな、と頭の中で変換することなく「とても(強調のイメージほわわわーん)」と浮かべば、しめたもんである。ここで相手の発話を聞いて、それが意味やイメージとして理解されるプロセスで「ひじょう」という発音は出る幕がなく、日本語の発音を覚えている必要は全くないのである。よって日本語の「非常」を忘れていた方が理解するには都合がいい。ちなみに「非常」は、日本語では「非常に」のように強調の意味の他に、「緊急の」という意味もあるが、中国語にはこの意味がない。すなわち、日本語でいう「非常口」は、中国語では「安全出口」である。このように同じ漢字だけれど、意味が違うものも、両国の長い歴史により沢山あるため、日本語の漢字の発音や意味は、時にわざと忘れる必要がある。
発音が肝。とにかく話そう
中国語を学ぶ前は、中国人ってみんな漢字で話してるの? なんてアホなこと考えていた。そう。全部漢字を発音してるのだ。漢字の並び、すなわち語順で、意味を示したりしている。また時制がなく、動詞に活用もないため、比較的シンプルな言語と言える。語順や文法は、日本語よりも厳格なことを気をつけさえすれば、日本人にとって簡単だと思う。しかし、発音がとても難しい。日本語にない発音や発声方法(四声)が特に難しい。よく中国人は声が大きいって思っていたが、この発音をするなら日本人は、あえて大きめに発音しないと相手に通じない。なぜなのかと思ってたけど、学んで話して初めて納得した。ちなみに来日客の中では中国人が割合多いので「中国人は声が大きい」場面を見る機会が多いので、そして実際にそうだし、そう思われがちだが、私のイメージでは西欧諸国の人たちも大概声がでかい。しかも身体デカイから声が響く。日本人は、世界的に見れば、めっちゃ声が小さくボソボソしゃべる人たちだと思われている。
話がそれたが、しばらく学習して発音を練習しまくる必要があると気がついてから、授業の時間も増やしたし、中国人と積極的に話すようにした。中国版のLINEってよく言われるWechatで、チャットしたりね。チャットはすごい。本当に使われてる話し言葉でやりとりするので、とても役立った。今は普段の会話くらいならできるようになった。
たくさん、そしてよく聞こう
発音も大切だけれど、相手の言っていることを理解する能力は、とても大切だ。だが、皆さんご存知の通り中国人の中国語は、めちゃくちゃ早口だ。あれ全部漢字読んでて、漢字が表意文字であることもあって文の構成が濃い。日本語は、一文字抜けたところで大体の意味が伝わることが多いが、私のような2年目の初学者には、中国語のヒアリングはなかなか難しい。言語学習において、ヒアリングはとにかく聞きまくればいいんだとばかり例えばCDを聞きまくるような妙な勉強方法が世の中にあるが、私は全く信じてない。CDをひたすら聞くだけの勉強法は、耳が少し慣れるくらいで、実際に必要なヒアリングは、語彙が伴っていないと全く意味がない。とは言うものの、語彙が不足していても人と会話したりドラマや映画を観ることで、生きた中国語に触れることができる。日本語にも書き言葉と話し言葉があるように、中国語にも書き言葉と話し言葉がある。ニュアンスみたいなものも、なかなか教科書にはないものだ。なので、そんな時は、中国人の知り合いやらメディアで触れる中国語はとても大切だったりする。
最後に
私が中国語の勉強を始めて1年経ったころ、生きた中国語を下手でもいいから話して、ネイティブの発音を聞きまくってくるぜと、2019年3月に北京へ一人で旅行に行った。初めての中国旅行は、私にとってとても刺激的だったし、楽しかった。そのままの勢いにまかせて、8月には台湾に行った。今度は家族3人で行った。家族旅行でもあったので、こちらもめっちゃくちゃ楽しかった。この2つの旅行は、珍道中としてまた機会があれば、このブログに書いておきたい。
そして、今年に入ってからあの悪魔のような新型コロナウイルスが世界で流行してしまった。私は、今年3月に西安(かつての長安)に旅行を計画していたが、やむなくキャンセルした。新型コロナウィルスが、はじめに中国で発見されたこともあり、もともと中国が嫌いな一部の日本人が発する心無い言葉を目にすることも多くなった。まだ外出ができた頃、私は中国人の友人と電車に乗る時に、中国語で会話するとなんとも言えない視線を感じることも結構あった。おそらく中国語を話しているので、私も含めて中国人だと思われていたんだろう。私は、中国人の友人に、日本人の一部に中国人が嫌いな人々がいるから、あまり中国語を話さないようにアドバイスしようと思ったけれど、やめた。そんなことは、言われなくても彼らは感じていただろうと思うからだ。中国語を学習し始めて、中国人と話す機会が増えて、よくわかったことは、彼らは日本人と比べ物にならないほど、親友と家族を大切にする。そして礼儀と面子を大切にする。そして、皆優しい。だから、いつかまた中国に旅行に行きたいし、中国人の友人達が困っていたりしたら、助けたいと思うし、そしてやはり仕事として、なんらかの形で中国語を活用していければいいなと考えている。