CPU を知る 第 7 世代
Pentium 4
intel は 2000 年 11 月、以前から開発を進めていた Pentium III の後継 CPU である Pentium 4 (コードネームは Willamette)を発売した。新しいコアを採用し、Pentium III で採用されていた SSE をさらに進化させた SSE 2 を搭載した全く新しい CPU である。大きな違いの一つに飛躍的に向上したクロック周波数である。ベースクロックは、400 MHz で Pentium III の 133 MHz から比べると大きく向上している。さらに、新しい製造プロセスとして、これまでの 0.18μm を 0.13μm に変更した新しい Pentium 4 (コードネーム Northwood)は、2.2 GHz という大台に乗る。intel は、この新しい Northwood 版の Pentium 4 で、シェアを奪われた AMD Athlon に対抗する。
ソケット
初期の Pentium 4 は、Socket 423 を使用する。これに対応するメモリとして RDRAM(RIMM) がある。RDRAM は、Playstation 2 などにも採用された高速メモリで、Pentium 4 の高い性能を活かすことが可能である。しかし、価格が高いため intel は、CPU に メモリを同梱したパッケージを発売する。
しかし、値段も高かったことと、前評判通り Pentium III に対するアドバンテージが少ないこと(実際各専門誌でも、「高速ではあるが、Pentium III も十分速い」という結果に終わることも多かった)もあり Pentium 4 は爆発的には売れなかった。
その後発売された Socket 478 では、SDRAM や、DDR SDRAM に対応する i845 チップセットを搭載したマザーボードが次々に発売される。これまで、トータルでの値段の高さに躊躇していたユーザもこれでかなり Pentium 4 を使用することができたのだ。
Pentium III (Tualatin) と Celeron (Tualatin)
Coppermine コアの Pentium III と Celeron は、長い間 intel のラインナップに存在したが、1 GHz 超をベースクロック 133 や 100 で動かしていることで、Pentium 4 での差異があった。そして、Celeron や Pentium III もモデルチェンジを迎える。Tualatin コアの Pentium III と Celeron である。CPU の L2 キャッシュを、128 KB から256 KB に増やし、さらに製造プロセスを 0.18 μmから 0.13 μm に、動作電圧を1.75 V から 1.475 V にダウンした。これにより省電力化も目指している。Celeron と Pentium III の違いは、FSB が、100 MHz か、133 MHz かの違いである。今回発売の意味は、価格の上で大きく差がある AMD の CPU に対して安価な CPU をぶつけたい intel の作戦でもある。実際 1.0 GHz Celeron で 1 万円前後で販売されている様子を考えるとうなずけるかも知れない。実際のところ 1 GHz を超えた CPU を使用した場合、CPU による体感速度の増加は低クロックのそれに比べ劇的ではないかも知れない。「行き着くところまで来た」感がある。現在、低クロックな CPU を使用している場合のグレードアップを考えている場合に、Celeron (Tualatin) を購入した場合が、もっとも低予算で仕上がるであろう。それでも GHz 超マシンなのだ。家庭でのユースを考えたら充分である。
AMD
忘れてはならないのが、intel のライバルである AMD 社である。AMD は、2001 年大きく業績を伸ばした(実際には、IT 不況で業績を悪化させていた中で少ない下げ幅だったというのが、正解か)。AMD が、Pentium III の頃から発売していた Athlon は、高くてパッとしない Pentium 4 と比べ安価で、ある程度高速であったため自作野郎に売れた。特に、コア欠けや熱問題さえクリアできさえすれば高速なので人気は以前から高かった。そして、Athlon xp (Palomino)を発売する。これまでは、クロック数によって製品名を命名していたのが通例であったが、実クロックよりも性能を重視し、同性能の Pentium 4 の実動作クロック数を併記する方法を採用した。例えば、Athlon xp 1900+ は、実際のクロックは 1.6 GHz であるが、Pentium 4 では 1.9 GHz と同等かそれ以上である( + という記号の意味を私はそう解釈している)といったように表記する。そして、各専門誌のベンチマークテストでは、Pentium 4 の性能と同等かまたはそれを上回る性能を記録している。
しかし、どんなに性能がよくとも値段が高くては市場では、見向きもされないが、AMD の CPU の価格は、intel の同クラスの半額程度だったため、自作野郎はこぞって自分のマシンに AMD の CPU を採用した。
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