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Diary 2009-12

Passed days diary...

2009-12-29 / イーモバイル Pocket WiFi (D25HW)と iPod touch で快適モバイル生活

以前からエントリしているように、僕は、iPod touch を使っていて iPhone は使っていないのだけれど、どうにか iPhone なしで、ネットに接続し快適な生活を送れないかと模索し、結果的にはPHS300 と EMobile D02HWを使った無限インターネット生活を過ごしていた。が、しかし先日発売された D25HW 通称 Pocket WiFi という魅力的な端末を涎を垂らして見ていたのだ。

PHS300 は、とても便利だし汎用性も高いので便利なのだけれど、どうしても不満な点がひとつあって、電池が完全に切れてしまうと設定が全てリセットされてしまうこと。電源を入れてから、リセットされたことに気がついて、最初から設定しなおさなければならないという面倒くささがあって四苦八苦していた。直前に電池が完全に切れて「大丈夫だろう」と思って、充電して持ち出して電源を入れて最初から設定しなおしの時の悲しさと言ったら、どう表現していいかわからない虚しさなのだ。

というわけで、維持費もさることながら利便性を鑑みて、僕は EMobile と直接契約して、フットワークの軽い生き方をチョイスしたのだ(笑)。

D25HW を手にして、まず思ったのは PHS300 と D02HW のセットと比べてコンパクトになったことだ。これは非常に大切で、iPod touch を使う人々ってのは、ガラパゴスケータイを捨てきれない人。すなわち僕のように、iPhone を使わないで Apple 製品の iPod touch を使っている人。すなわちデジタルガジェットをいくつか持ち歩く人になるのだ。これは大切で、携帯電話を複数台持ちしているならば、コンパクトに済むに越したことはない。僕は、会社で持たされている携帯電話 BRAVIA Phone U1 を 1 台と、私用の携帯電話である CA003 と、iPod touch 、さらに D25HW を持ち歩くことになるので、並べたら 4 台持ち歩くことになるので、切実に物は少なく持ち歩きたいのだ。PHS300 は便利な Mobile 無線LAN ルータではあるけれど、上記の不満点はいつまでも解消しなかった。

購入してから、数日しか経っていないけれど、僕は全体に満足している。端末の性格上あまり電池が持たないのは、仕方ない。4 時間くらいは 無線LAN ルータとしては仕事をしてくれるから、通勤の折、昼休みの暇つぶしのブラウジングや twitter には申し分がない。電池も問題なく持ってくれる。外出した時のちょっとした調べものも、携帯電話のような限られたものではなく、Safari を駆使したものになるので、実質的は PC を持ち歩いているのに等しい。

契約内容についは、長期割引には「にねんM」と「バリューデータプラン」で契約した。大部分の iPod touch ユーザにはこちらをオススメしたい。Youtube を大量に閲覧したりその他の通信で、データ転送量が多くなければ、こちらで十分である。バリューデータプランについては、最低使用料 2,980円。約300MB(2,457,600パケット)を超える分については従量制。最大で 5,980円(以上税込み価格表示)である。iPod touch で、300MB 程度(あるいはそれを超えない)通信というのは、テキストベースの通信をしている分には余裕の範疇。家に無線LAN環境があって、外でちょっと Google や Web , twitter なんて用途なら安く使えるはずだ。よく、家電量販店で、iPod touch 8GB 100 円などと抱き合わせになっているのは、にねんL という長期割引を使っていて、前述にねんMと比較すると1,000円/月多く支払うことになる。すなわち 24 ヶ月間、毎月1,000円を多く支払うことになるので、抱き合わせの商品に 24,000 円の価値が自分にとってあるかどうか精査すべきである。

iPhone を、宗教的な理由で使うことができない(笑)人や、iPod touch , DS , PSP を使っている人に激しくオススメな Pocket WiFi 、皆さんもどうであろうか。

2009-12-31 / 陰陽座 「金剛九尾」レビュー

陰陽座の2009年9月9日発売( 9 並びアルバム名と通算枚数にかけてる!!)の通算9枚目のアルバム「金剛九尾」が発売されてしばらく経った。iPod や Mac の前でほどほど聴いてライヴも見に行ったことだし、毎度のことながら本アルバムもレビューしてみようかと思う。

本作は、基本的に、前作「魑魅魍魎」(ちみもうりょう)と同じ音作りのアルバムだ。エンジニア陣もほぼ共通で、この音がリーダの瞬火の好みの音であるのだろう。確かにダイナミックな音で、透明感もある音だ。初期よりも断然高音質だし、心地いい。ただ音がよければいいのかって話なのか。勿論、何はともあれ楽曲が問題だ。もちろん陰陽座は期待を裏切らないので安心して欲しい。

さて、各楽曲を聴いていこう。今回の作品は全曲、作詞:瞬火・作曲:瞬火。

1. 貘(ばく)

「貘」は、中国由来の夢を食べると言われる架空の生物。あるいは妖怪。楽曲は、神秘的な効果音から入るクリーンなトーンやシンセサイザが透明感を出すミドルテンポの曲。最近の陰陽座らしく、1曲目はアルバムの全体を想起させるテーマを持った曲を持ってくることが多い。この曲も、クリアな感じと侘びしさや、寂しさ(ダークな感じではない)を感じさせる。サビもキャッチーなのだけれど、メジャーな底抜けの明るい曲ではない。ライヴなどでは、もちろん 1 曲目に演奏していたが、どうにも縦ノリではないので、観客もどうしていいかよくわからない感じでノっていた。

2. 蒼き独眼(あおきどくがん)

「独眼」は、勿論独眼竜正宗。伊達政宗のこと。イントロからしてかっこいい。こういう硬質な感じのギターのリフはいいよね。この曲はパチンコ CR 戦国乱舞 蒼き独眼のテーマ曲になっている。歌謡曲的な意味でも、陰陽座的なメタルの意味でもキャッチーな曲。先行発売されたシングル曲でもある。彼は、本当にシングル曲はシングル曲らしい曲を書く。さらに、パチンコで採用されたので、パチンコ台で演奏されることを考えて、うまく収まるように作ったという瞬火らしい完璧主義な一面が見える曲でもある。

3. 十六夜の雨(いざよいのあめ)

打って変わって恋愛をテーマにした曲。耳がヘビメタ慣れしてると、こういうイントロに「おお、スピードチューンキター!!1!!」となる病気に罹患しているのだが、普通のテンポの曲だったりする。

4. 小袖の手(こそでのて)

「小袖の手」は、妖怪の名。僕は、歌詞を読んで、この世に未練のある女性が好いた男性を想うあまり、遺品である小袖から手を伸ばすほどの状況というような解釈をしているが、どうなんだろうか。しっとりとした黒猫の歌声で切ない恋心を歌う。

5. 孔雀忍法帖(くざくにんぽうちょう)

一転、毎度収録されている忍法帖シリーズ。今回もノリのよい作品で、本アルバムでの最速チューンとなっている。終始テンポを落とすことなく突っ走ります。ギターも気持ちよい音ですね。

6. 挽歌(ばんか)

「挽歌」は、そのまま挽歌でしょう。この曲は、陰陽座としては新境地だとは思うが、これが大成功しているとしか言いようがない、まさに名曲である。泣きのメロディでスタンダードなロックのコード進行。メタルかと言われたら、いやいやこれはロックのしかも王道だけれど、このような曲が陰陽座から出てきたことが、いい意味での驚きではあった。この曲は、間違いなく10年前の結成当時では発表されることがなかっただろうし、陰陽座としての活動が、10年の年月を経て、さらに瞬火自身もいい意味で歳を取ったからこそ、この曲を書いて発表したのではないかなと思う。

7. 相剋(そうこく)

相剋と次の慟哭は、DS のゲーム「犬神家の一族」のテーマソング。そして、先行発売されたシングル曲。販売元に陰陽座ファンがおり強いオファーがあったようで、彼らもそれに応えたといったところ。犬神家の一族と言えば、横溝正史原作の金田一耕助が主人公の探偵小説・映画・ドラマ作品。僕は不勉強で映画しか観たことがないが、ゲームの印象には合っているのかしら。こちらは激しい感じの歌い方になっているので、おそらくゲームの冒頭部なんかに使われてるのかな。

8. 慟哭(どうこく)

7 と同じくシングル曲。イントロの音などは、昭和の作品である「犬神家の一族」をうまく表現できているんじゃないかなあと個人的には思っている曲。バラードであり、ゲームではエンディングなどに使われたのかも知れない。どうもこの曲は、ベースがやたらと耳に入ってきてしまい、元ベーシストであったりすることもあり、自分的には指でベースを弾く様子が頭から離れないわけです。

9. 組曲「九尾」~玉藻前(くみきょく「きゅうび」~たまものまえ)

これより 3 曲で構成された組曲。「九尾」は有名な妖怪。狐の姿で 9 本の尻尾を持つ妖怪。このアルバムはとにかく 9 に拘っているのだ。玉藻前は、絶世の美女とされ、鳥羽上皇に仕え、寵愛され契りを結ぶまで至ったが、妖怪であることが発覚して…。というお話である。黒猫が終始歌うことからわかるように、玉藻前視点で愛を求める様を描いているなかなか艶っぽい歌である。

10.組曲「九尾」~照魔鏡(くみきょく「きゅうび」~しょうまきょう)

一転、暗くておどろおどろしい展開へ。ヘビーでスローなテンポに。「照魔鏡」とは、悪魔の本性を映し出す力のある鏡。ドラゴンクエストでいうところのラーの鏡。組曲の中盤というのは、陰陽座の非常にらしさが出るので、毎度愉しみなのだけれど、今回も展開を次から次へと変えて来て期待を裏切らない。変拍子ありギターソロもあり、男女ヴォーカルの絡みあり。9分を超える楽曲だけれど、飽きさせない。

11.組曲「九尾」~殺生石(くみきょく「きゅうび」~せっしょうせき)

殺生石は、玉藻前の正体「九尾の狐」が死んだ後に、石となったというもの。近づく生き物を殺すことから名付けられた。この曲は、ギターのリフが非常にかっこいい。曲もクライマックスへ向けて、スピードアップ。最後に、しっとり黒猫が歌うパートはあるが、目まぐるしくかつ激しい展開、リフ、やや難解なテンポ・拍子(まあ某バンドほどではないけれどもさ)、合いの手の声を上げつつ、このアルバムの最高温度を記録する。

12.喰らいあう

毎度毎度の陰陽座の最後の曲は、ライブで盛り上がりそうな曲。サビの喰らいあうと cry out とかけてるのか。

このアルバムは、全体に脳天気な曲はなく、なんとも言えない侘びしい寂しさのようなものが漂う、非常に和を感じさせるテイストとなっている。なんと言っても組曲「九尾」は、瞬火が構想10年とかなんとか言ってたと思うのだけれど、非常に完成度が高い。キャッチーさばかりではない。音は、最近の陰陽座らしくヘヴィネスだけではなくモダンな音作りである。モダンというのは、語弊があるかも知れないけれど、古くさいメタルではない音であり、気持ちよく聴ける音ということだ。 10 年という一区切りで彼らが提示した楽曲と音は、間違いなく過去の陰陽座の清算でもあり、新しい一歩であると強く感じることができるアルバムである。

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