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その後
Last Modified : Sat, January 06 22:03:00 2018
2001-06-15 / その後
ジュン= PC 自作教室の講師・アサミ= PC 自作教室の生徒
二人は無言で体を離すと、不思議と笑いがこみ上げてきた。本当は二人とも思いを隠しながらも、同じことを考えていたのかも知れない。
「さ、今日はこれで講義もおしまいだ。この続きはまたしよう」ジュンが口火を切った。
「そうですね、私も今日はこれ以上勉強できない気がするわ」
教室を片付けると、二人は手を組み地下鉄に向かった。6月の空は綺麗に青く澄み渡り、白い雲が綿菓子のように浮ぶ。風は、2人を祝福するようにやさしく両方のほほを撫でていた。二人を知る人がいるかも知れない。そんなスリルも今の2人には、心地良かった。
2人が地下鉄すすきの駅で降車すると、辺りは、すでに夕闇が西から浸食してきた。薄暗い空から地上に目を落とすと、店のディスプレーやネオン、街灯が目に突きささる。歩いている人々はこれから始まる宴に心弾ませ誰もが楽しそうだ。スーツの男性、頼りない足取りの厚底靴の少女、彼女達を品定めする髪の長い少年達。角地にあるシャッターが降りたデパートの前を通過する2人に少女の歌声が耳に入ってきた。
二人は、夜景の見えるビルの最上階の店に入った。昨日まで高校生だったような若い男性店員が、2人の前に立ち注文を促した。
「ビールを」ジュンが注文する。
「じゃ、私もビールを下さい」
店員は注文を繰り返し、厨房に向かった。
「先生のことずっと見つめていたの。私」アサミがテーブルの上の灰皿をくるくる指でなぞりながら、申し訳なさそうに言った。
「そうだったんだ。僕は君のことを考えながら講師をしていたよ。これじゃ、講師失格だね」
「うふふ」アサミは手を口元に当てて笑った。世界が2人のために用意したような素敵な笑いだった。
「私ね、主人とは初めてだったの。男性とお付き合いしたのがね。だから、他の男性がどうやって女性を誘って、どうやって寝るのか全然わからないの」
別の女性店員が、2人のテーブルにビールを持ってきた。コースターを敷いてその上にビールを置いた。まるで儀式が執り行われているかのように、厳かにゆっくりと礼をして席から離れた。
「そう、僕はね、ずっと女性を口説くのがヘタでね。惹かれた女性がいても全く自分の気持ちを伝えることができなかった。でも、必ず寝ることになる女性は最初に直感みたいなものを感じるんだ。僕はこの子と寝ることになるだろうってね」
「…私は?」アサミがちらっとジュンを見て、すぐにビールのグラスに目をやった。露がグラスに二つの道を作りながら落ちコースターに滲んだ。
「僕と寝ることになる」ジュンが静かに言った。アサミはその言葉に驚きもせずに、ビールを口に運んだ。ジュンも、半分ほど飲む。喉に染み渡る味は、これから訪れる2人の許されない過ちの恋の味がした。
いや、すみません。この間の日記書いたら2人のキャラが一人歩きしちゃって、ネタだったのに、ここまで書いちゃいました。
この後どうなるんでしょうね?>私。
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