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JR
Last Modified : Sat, January 06 22:02:58 2018
2001-07-20 / JR
昨日、10年ぶりくらいに JR に乗った。滝川から札幌までの道のりである。
十年前・・・
母、弟二人は、札幌に旅立つ私を送りに駅まで来ていた。母は、駅に着くなり泣いていた。
「風邪をひかないようにね。ちゃんと、洗濯しなさいよ。ご飯もちゃんと食べなさいよ」
春のまだ雪が残る、肌寒い季節。私は、単身で札幌へ旅立った。特急を待つホームは、風も強く肩も自然に強張る。
「兄貴、札幌行っても、連絡くれよ。俺たちは応援してるからな」
列車が到着すると、私は重い荷物を抱え、列車に飛び乗った。三人は私に手を振る。
座席に座ると、彼らに振り返した。涙が目からこぼれそうになるけれど、必死に抑える。急に、一人になったことが感じられた。
私は、今日から一人で生きていかなくてはならないのだ。これから洗濯は勿論、全てのことを私がしなければならない。
青函トンネルを抜けると、そこは北海道。大きく広がるその大地は、私を受け入れるがごとく静かに佇んでいた。
札幌市内に入ると急に、大きなビルが立ち並ぶ。私の住む場所は、ここだ。
そんなことを思い出しながら、私は列車の中から、札幌駅をぼんやり眺めていた。
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