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福岡方面出張 2
Last Modified : Sat, January 06 22:02:33 2018
2002-09-11 / 福岡方面出張 2
午前 7 時 46 分。ベッドに備え付けのアラーム時計の音で、目を覚ます。昨夜眠りに落ちた時と同じ明るさだ。窓の扉を開けて、アルミサッシを開放してやると、朝の雑踏が聞こえてくる。学生は通学のために福岡駅に向かい、サラリーマンは今日も憂鬱な仕事にでかけ、弁当屋は、そんな人々に弁当を売ろうと必死に声を張り上げる。僕は、そんな音を聞きながら浴衣を脱ぎ、ワイシャツに袖を通し、ズボンをはいた。照明を点灯して、鏡で眠そうな自分の顔を確認して、持参した電動髭剃りで、髭を剃る。エレベーターで 1 階に降りて、レストランで食事をすることにする。朝食を摂っている人々は、100% スーツを着た人々であり、僕もまた彼らの中の一人だった。多分第三者から見たら、僕も彼らの中の一部でしかないのかもしれない。
朝食は、慣れたバイキング形式ではなくて、あらかじめ決められたものが運ばれてきた。オレンジシュースと、スクランブルエッグと、コーンとフランスパンとマーマレードジャム。もしかしたら、人によっては足りない量かもしれない。僕は割りと少食なので、全部食べて満足した。味は、別になんてことはない。うまくもまずくもなくて、腹を満たしただけと言った風情だ。気にしない。もともと味にはうるさくないし、食べなくても、その辺のファストフードでハンバーガに食らいついていただろう。大差はないのだ。
僕の斜め向かいの日本人男性と、非常に太った外国人が、英語で会話をしている。その日本人が、自慢気に僕の顔を見た。何度も。僕は、朝から彼の視線を受けて、憂鬱になった。僕は、ネイティブな英語が話せない。だからなんだ。君は偉いのか。
客室に戻り、昨日着た衣服をたたみスーツケースに入れて (それがすごく重いのだ)、ホテルの清算を済ませ、領収書を貰い、ホテルを出た。ホテルの玄関には、彼がいた。僕を見て、ニヤリと笑った。僕は、貴方のような人種が嫌いだ。
外に出ると、20 度後半の温度であろう、独特の湿気を持った暑さが僕を襲う。札幌の空気とは全く違うと感じる原因はここにあるのかもしれない。湿度。同じ気温であっても、札幌の場合は、カラッとしているので汗をかいたとしてもすぐに消えてしまうので、暑さも気にならない。そして、絶対的な温度も 5度前後低いだろう。冬もその分低いのだけれど。
福岡駅から、普通列車に乗り、大野城駅まで向かう。仕事の向かう先なのだけれど、少し時間が遅れ気味だった。しかし、焦っても列車は、ダイヤ通り停車と発車を繰り返し、僕はその列車の中であきらめながら、携帯電話の時計を眺めた。なるようになるさ。ケセラセラ。
仕事を済ませる。おおよそ、大野城、春日、博多の近辺を移動した。
仕事を終えて、福岡空港まで昨夜一緒に飲んだ課長に送ってもらう。九州の言葉は割りと上司にいたり、取引先にもいたりで聞きなれているけれど、相手の言うことを良く聞いてくれる人が多い印象をうけた。「そうね」とか「そうたい」とか適度に相槌をうってくれるからかもしれない。
ロビーに座り、会社のみんなのお土産を売店で購入して、飛行機に搭乗して、身体を休めたいと思って目を閉じる。しかし、僕の隣のスーツの中年男性が、10秒に1回の割合であくびをして、貧乏ゆすりをしながら、仕事に使っているであろう写真を仔細に眺めたりしていて、僕は結局一睡もすることができなかった。そう。そういう日もあるさ。ケセラセラ。
ボーっとした頭を抱えながら、東京羽田空港に降りる。ああ、4回の飛行機のうちまだ、あと1回残っている。羽田空港では、食事を済ませる。札幌に到着するのは、午後 10:30 だから、どうせお腹も空くであろう。
最後の飛行機に搭乗し、web サーバの本を読みながら過ごすと、千歳空港に着陸した。すっかり真っ暗になった空が見える。
飛行場の駐車場から、Prelude を出した。料金を支払うためにウィンドウを開けると、心地よい乾いた爽やかな風が僕の頬を撫でた。そう、僕の住む街の空気はこれなんだ。そして、僕は、この空気の中で生きているのだ。憂鬱と喜びと、怠惰の生活。ケセラセラ。
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