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寒い冬の空
Last Modified : Sat, January 06 22:01:43 2018
2005-12-20 / 寒い冬の空
仕事が忙しく遅くなった夜。暖房が稼動しているにも関わらず、ドアが開くたびに冷気が入って足元が冷えるバスから、僕は一人降りて踏み固まった雪を踏みしめる。ギシッっと音がして、僕は、手袋を鞄から取り出した。ふぅっと、息を吹くと白い息が目の前に現れる。耳や頬の温度が急に下がったのが感じられる。コートの表面も僕の身体と平等に冷える。
氷点下の空は、驚くほど星空が綺麗で、瞬きながら痛いばかりに寒い空気を照らす。月は、白く冷たい光で、すでに葉が落ちた木々を照らした。雪が反射する月明かりと木の陰のモノトーンのコントラストを眺めながら、僕は歩を進める。足元が冷える。ぎしぎしと雪は泣く。
暖色の照明と、白い蛍光灯の冷たい明かりが不規則に並ぶマンションを眺めながら歩く。周りには、人の姿はなく、僕の歩く音 - 雪を踏みしめる音だ - と、風が木々を抜ける音だけ聞こえる。
建物に入り、エレベータに乗り、ドアを開けると夕食の匂いと暖かい空気が僕を包む。
ただいま。
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