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bakery 2
Last Modified : Sat, January 06 22:02:36 2018
2002-07-26 / bakery 2
それから彼女は店のパンを気に入ったのか、2 日に一度は来店するようになった。いつも男の子を連れて、服は違ったけれど黒い服を好んで着るようだった。むしろ彼女の黒い服しか見たことがなかった。色白の肌と黒い服と黒い髪。そして男の子。僕は自然に彼女たちのことを気にかけるようになっていた。そして、二人と他愛もない話もするようになった。
「僕は、何年生なんだい?」
「三年生!」
「そうか」
「お兄ちゃんは?」
「19 歳だよ」
「そっかー。かっこいい!」
「そうかい? うふふ」
彼女は、そんな話を聞きながらにこにこしていた。僕は、パン屋の店員さんとして接して、彼女はお客さんとして。
そんな関係が崩れ去ったのは、ある出来事からだった。
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