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bakery 11
Last Modified : Sat, January 06 22:02:36 2018
2002-08-04 / bakery 11
白い肌は、明るい照明の下で静かに動いた。僕の下腹部でゆっくりと上下している。僕はその快感に身を委ねながら、天井の蛍光灯を眺めていた。白い壁紙にある一般的な平たいタイプの蛍光灯。National と書いてある。彼女の生活の中に僕は、割り込んでいるのだ。彼女の指が僕の胸を這う。胸の上の腕を掴み、身体が反応するたびに強く掴んだ。それを確認するかのように、彼女も優しく僕自身を愛した。それは、激しく起立して、真上を向いていた。少し声がもれる。
「ああ」
悪戯な顔をして、僕を覗き込む彼女。僕は、また蛍光灯を眺めた。彼女の生活としての蛍光灯。彼女が、僕の肖像を描くのにも、その蛍光灯は明るく照らしただろう。そして、ふらちな二人でさえ、平等に照らす。横たわった僕の上に、彼女が乗る。僕自身が、何か温かいものに包まれた感触がした。上に乗ったまま僕にキスをする。僕は、そのまま彼女を受け入れて、背中に腕をまわし抱き寄せる。彼女も僕の首を抱きかかえて、髪を撫でる。
温かい彼女の中に包まれて、僕は目を瞑り僕自身で感じる温かさと湿った感触を楽しんだ。目を瞑っても、蛍光灯の残像が残っている。そして、快感の波が押し寄せる度に、白い蛍光灯の残像は、明るく輝いた。
彼女が果て、僕がしばらくして果てると、急に眠気が襲う。彼女を抱き寄せたまま、僕は彼女の生活の匂いのするその部屋で、眠った。彼女は、僕の髪を撫でながら、寝息をたて始めた。
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