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Versailles 「JUBILEE」レビュー

Last Modified : Sat, January 06 22:01:36 2018 RSS Feed

2010-07-06 / Versailles 「JUBILEE」レビュー

Versailles のメジャーデビューアルバム「JUBILEE」が 2010 年 1 月 20 日に発売されてしばらく経つ。もうそろそろ僕の中でも、この作品が消化できたので、いつも通りレビューをしてみたいと思う。

1.God Palace -Method of Inheritance-

作詞作曲 : KAMIJO。KAMIJOらしい仰々しい曲。いきなりの10分31秒。しかも組曲形式。

  • 第一楽章「神の誕生」
  • 第二楽章「激動の時代」
  • 第三楽章「運命」
  • 第四楽章「永遠の果て」

第一楽章、歌いだしからして、おや?なんぞこれ?と今までの Versailles からすると意表ついた感じでスタートする。変拍子フレーズが続き第二楽章へ。臨界点を突破するのは第三楽章のスピードアップしてからの展開部分。英語のナレーションフレーズを終えてからがいい感じ。この辺は安定感のある高速フレーズ・リフを連発しつつ展開され Versailles らしい味を楽しむことができる。ギターソロもここで聴ける。その後、クラシカルなフレーズを連発して静かにオルガンの音とともに第四章につながる。KAMIJO は、このような曲を書かせたら本当に天才であると思う。クラシカルなフレーズと、ストリングスのアレンジなど、一歩間違うとメタルからかけ離れたものを作曲するけれど、恐らく皆と相談しながらメタルの曲にアレンジしたんだろうなと考えられる。

2.ASCENDEAD MASTER

作詞 : KAMIJO 作曲 : HIZAKI。先行発売のメジャーデビューシングル。彼ららしい、そして作曲の HIZAKI らしいメロスピ曲だが、メジャーデビューに気合いの入った面白いフレーズも満載された、いい意味での売れ線の曲であると思う。キャッチーなサビや、ツインリードギターの良さをうまく表現できているギターソロ。KAMIJO のいい声が出る音程。それを支えるベースとドラムの音速テクニック。最初から最後までおいしい曲である。

3.Rosen Schwert

作詞作曲 : KAMIJO。こういうジャンルのアルバムにありがちな3曲目はちょっとお休みロックっぽい曲。しかし、この曲はなんとなく古き良き V 系サウンドを彷彿とさせるので、好きな方には好きな曲なのではないでしょうか。ノリの良さとかもね。

4.愛と哀しみのノクターン

作詞 : KAMIJO 作曲 : TERU。TERU の曲は毎度不思議な曲やら楽しい曲があるんだけれど、曲名から全く想像できない疾走曲を持ってきてくれました。この曲はこのアルバムの前半のハイライト。ライヴでもヘドバンが超激しくて、若い女性がすげー勢いで髪を振り乱しておりました。あと TERU 曲、実はギターリフが気持ちよい曲が多いので要注意だ。

5.Amorphous

作詞 : KAMIJO 作曲 : HIZAKI。一転して優しいヴァイオリンの音が印象的なミドルテンポの曲。アコースティックギターの音も入って、今までの Versailles ではあまりなかったタイプの曲。

6.Reminiscence

作曲 : TERU。インストゥルメンタル。クラシックな音にギターを組み合わせた、なんだか不思議で幻想的な西洋風の曲。ライヴでもちゃんとこのまま演奏してたけど、本当に TERU は、ファイナルファンタジーに出てきそうな格好しててすごかった。

7.Catharsis

作詞 : HIZAKI 作曲 : TERU & HIZAKI。ありそうでなかったギタリスト二人が一緒に作った曲。作詞も KAMIJO ではなく HIZAKI。ギタリストが二人で作るとどうなるのかと思うと、やっぱりかっこいい曲になるんですねー。Versailles のギターの音は、割と全開で左右に音振られてるので、気持ちよくザクザク刻むリフも心地よい。弾きたいように弾きまくってるギターソロもなかなかいい感じですね。この位の速度の曲も実は意外になかったんじゃないかっていう。ちょっと速い感じの曲。

8.The Umbrella of Glass

作詞作曲 : KAMIJO。実は、このアルバムの中でのお気に入りの一曲だったりする。こういう切ないメロディには滅法弱いもので。なんか KAMIJO の前にいたバンド LAREINE でやりそうな感じの曲。かのバンドの良さは、どこか悲しいメロディにのせた切ない青さみたいなのが魅力だったんだけど、その方面の香りをこの曲には感じるわけです。

9.月下香

作詞作曲 : HIZAKI。KAMIJO 曰く、Versailles で一番エロい曲。HIZAKI姫の得意技であるメロディックスピードメタルチューン。先行メジャーデビューシングルのカップリングされていた曲。こういうヘビーな曲好きよ。前奏と後奏にちゃんと頭を振れる箇所があるので、ライヴでも盛り上がれますよ。

10.PRINCESS -Revival of church-

作詞 : KAMIJO 作曲 : HIZAKI。最後期のインディーズ時代に発売していた PRINCE & PRINCESS に収録されていた曲。個人的には、PRINCE より PRINCESS 派だったので、嬉しい。PRINCESS の方が、より難解なフレーズも多いし変拍子を使ったり、疾走部分が多かったりで好き。あと詞が照れるほど直接的なので、わかりやすくてよい。

11.Serenade

作詞 : KAMIJO 作曲 : HIZAKI。マジ HIZAKI姫のバラードは、毎度毎度最強過ぎる。最初に聴いた時点で胸に残るキャッチーで切なくなるメロディ。どうしても想起してしまう Jasmine You。彼が生前、この曲を聴いて涙を流したなんて blog で言ってたけど、本当そんな感じ。初回特典の DVD にはこの曲の PV が収録されている。

12.Sound in Gate

また CD にこの曲誰が書いたか書いてないし!でも、間違いなく KAMIJO 。やたら大げさな映画のサウンドトラックみたいな曲を書くのは彼しかいないし。インストゥルメンタルの小曲。

Versailles は、短い間に、「Lyrical Sympathy」「NOBLE」と、進化しながらリリースしてきた。もう一度のこの作品をその二作品を振り返りながら改めて聴きなおしてみると、この作品は彼らの見せることができる最高傑作だし、僕の中でもやはり、実際そうであると思える。この作品でも大きくサウンドに貢献している Jasmine You は、既に天国にいるわけだから、次回の作品は彼なしでいくことになる。彼らは本当の意味での新しい Versailles のサウンドを僕らに届けてくれることになるから、僕はそれを楽しみに待っている。

現在、ツアー中の彼らはヨーロッパをまわっている。

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